「真白の恋ってどんな映画?」
「見た人の感想が聞きたい!」
こんにちは!くりです。
映画を見ようと、huluを探っていたら見つけた作品が「真白の恋」。サムネの可愛らしい写真に惹かれて、鑑賞しました。
はじめにすこし変な女の子がでてきて「まーたサムネ詐欺か」と思って見ていたら、とても面白い。
「ここ一年でベスト3に入る面白さ!」
といった感想です。
「真白の恋」の作品情報
タイトル:真白の恋
公開年:2017年
上映時間:97分
監督:坂本欣弘
出演:佐藤みゆき、岩井堂聖子、福地祐介
原作・脚本:北川亜矢子
「真白の恋」のあらすじ(ネタバレなし)
渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。見た目にはそれとわからないが、真白には、ごく軽度の知的障がいがある。日常生活に支障はなく、現在は父の営む自転車店の店番をしたり、飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。
ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、東京からやって来たフリーカメラマン、油井景一に出会う。真白の、生まれて初めての恋。応援する人、心配する家族。その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか…。自然豊かな富山に暮らす、ひとつの家族の、「優しさ」と「葛藤」を描く。
引用:hulu
「真白の恋」感想レビュー(ネタバレあり)
「めちゃくちゃ面白かった!」
というのが一番の感想です。
クラウドファンディングで1000万円を集め、11日間で撮影されたというこの映画。
展開はとてもベタでした。
富山県で産まれ育って、一度も実家を出たことがない主人公の真白。対する生まれも育ちも東京のカメラマン油井。
ずっと田舎暮らしの主人公と、東京に疲れ田舎で癒やされるカメラマン、この2人の物語です。
真白は軽度の障害者、しかし日常生活には支障はない。ほとんど”うん”か”わかった”で返答しています。
2人が自転車と船で再会するシーンはとてもほのぼの。「次の船着き場で待ってるんで、追っかけてもらえますか?」という油井の言葉に、「わかった!」と返事をする真白。そして素直についてきます。
このシーンはお気に入りです。背景の音楽もぽわぽわとして、このシーンと合っています。
それから二人乗りに。ここで普通の映画だとハプニングが起きたり、運命的な出来事になるのですが、ここでは油井を後ろにのせて、真白が必死に坂を登るだけ。いやーほのぼのしています。
油井と自転車で並走しているときや、デートしている時にお義姉さんに見つかりシーッと指を立てるとき、真白の愛らしさが垣間見えます。
そして大きな橋が見える川べりに座って2人で話すシーンが。
真白が軽度の障害を気にしているのもそうなのですが、
「油井にはこんな風に見えるんだ、真白とはぜんぜん違う」
「真白ちゃんとはこんな風に見えてるんだね」
という会話が印象に残ります。
強いて言うならば、ここのシーンをもうちょっと繊細に描いてほしかったです。同じ風景をどんな風に感じ合い、どんな感想を抱くのか。
特に2人の写真の違いが見たかった。写真の異なりで、感情の差を知ることができたら良かったのにな、と思います。
それから2人で山に登るという事になりますが、親が反対。その反対するのは、過去の誘拐事件からきている様子。
親に否定されてしまい、部屋に引きこもってしまいます。
それから無理矢理に油井に会いに行き、電車の座席で二人並びのシーンへ。
「真白ちゃんがいきたいところ行こっか、写真撮りに行くのもいいし、買い物でもいいし」
「とうきょう…東京がいい」
油井と同じ景色を見たい真白は、行きたい所は東京と答えます。それでも油井は拒否。
「真白が障害者だから?普通だったら連れてってくれた?」
でこのシーンは終わります。
油井が真白の東京に行かせたくない理由は何でしょうか。
1.真白が障害者だから
2.純粋な真白に東京へ行かせたくない
3.そこまでの気持ちを油井は抱いていないから
1つ目は「社会に適応できないのが障害者だったら、僕も障害者ですよ」という油井の男らしい発言があるのでありえないとして、やはり2ですかね。
富山のきれいな景観を見て、優しい人々に囲まれて育った真白に東京は見せたくないと。ぼくだったらそう考えます。
真白が家を飛び出して見つからないので、家族と周りは混乱しましたが、無事見つけて一件落着。
「お母さん…どうやったら普通の人になれるの…?」
家族や周りの過剰な保護を重く感じた真白は、本音を漏らします。たった一言ですが、とても重い。言葉の裏にはたくさんの経験や感情が籠もっています。
しかしこのことから、障害を重く捉えない油井と真白の相性がよいことが分かりますね。
油井が自転車を返すシーンで、お父さんがすこし反省している様子。でも別れのときが。
駅で油井を見送るシーンはとてもベタなのですが感動しました。
いとこの雪菜と館山に登り、朝日を見ます。館山の朝日をみた油井は「色んなことがどうでもよくなって、色んなことがどうでもよくなくなったんだよね」と表しましたが、この時の真白は何を感じ、どんなことを考えたのでしょうか。
そしてお父さんが整髪料を探すシーンに。このやり取りは初めに兄が結婚した時と同じです。
「えっ!真白が結婚!?」と思ったのですが、違いました。。
最後は犬を散歩して、真白は清々しく誇らしい顔をしてエンドロールへ。
まさかの油井とは繋がらない。思わず「えー!」と言ってしまいました。
完璧なハッピーエンドではないのですね。でも失恋を経験した真白は、一つ成長をしたことは確かです。
本当に面白い映画でした。展開はかなりベタ。映画での定番なやり取りは全て入れ込んでいる感じ、でもそれぞれが個性を出して、一つのオリジナリティを持つ映画に仕上げられています。
まとめ:「真白の恋」の評価は星4.7/5
ぶっちゃけ相当好きな映画です。ここ数年で考えても上位に入ります。
ほのぼのとしていて、きれいな富山の風景、美しい音楽、そして純情な主人公真白。
すべてがマッチしていて、邦画の良さが存分に出ています。
深夜1時に部屋を真っ暗にして、片手にコーヒーを持ちながら、もう一度みたい映画です。
